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アルジャーノンに花束を  ふせったー感想

この感想が結構私の感じたことに近い気がする…………。
#読書の話

※以下ネタバレ

優しさって知能の有無とか差で図るべきじゃないし、誰にでも優しく思いやりがあってしかるべきであるのはそう…なんだけど。それはやっぱり理想論でしかない。実際は難しい。これはラストにもよく表れているし、作中でも解決した気はしない。
キイス氏が言いたいことはわかるけど、でもある種の事実であり、ある種の欺瞞というか…

知能がない時に相手の良さを感じてそうだと思い込むことは、それはそれでやっぱり悲しい気がするし、知能がついて気づいてしまうこともまた、悲しい気がする。辛い… チャーリイが良い感じの所で知能がとまらなかったので、結局どうあってもわかりあえないのが悲しかった。どちらにせよ差があるってことは軋轢を生むんだ…

追記:それはそれとして、チャーリイがそれ(知能の高い状態)を知ったことは不幸とは思わない。なんか… 難しいんだけど… 確かに彼はあの時にそれを望んだことは確かで(周囲の人たちがわかっていて利用した面もあるとはいえ)、頭のよくなったチャーリイも基本的に利他的な人だった。彼は自分のことばかり考えている、と言っていたけど…。
だから、どうあってもチャーリイという人間の素や根本は変わってないと思う。それ以上に周囲の人間の在り方が顕著で悲しくなったよ。でも、そうなるのもわかるので…余計に悲しい…
人の考察で、最終的にチャーリイの人格は同化した、とみている人がいて、面白かった。確かに昔のチャーリイでは知りえないことも知っていて、どうあがいても同一人物ではある。

あと、アルジャーノンの末路を見るに、彼もあまり長生きは出来ないのかもしれない。急激に知能を向上させ、急激に知能が低下していくのは、どう考えても脳によくない負担かかっているよな…。うおお… 色々考えてしまう…
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